電力自由化比較サイトで電気プラン選びする場合の注意点は?

投稿者: | 2016年3月20日

電力小売全面自由化を控えて、電力会社を選ぶ際に比較サイトを活用する方が増えています。
比較サイトでは、現在の電気料金や、郵便番号などを入力するだけで、簡単におトクな電力会社を探すことができますが、利用するときには注意も必要です。

目次

その料金プラン、本当におトク?

比較サイトでは、単純な電気料金だけでなく、さまざまな割引やプレゼントなどを含めた「実質的な割引額」で、おトク額が表示されます。

例えば、ガス会社の電気料金プラン(トリプル割)では、ガスとのセット割引のほかにインターネット料金(光コラボ)の割引額まで含めたおトク額が表示されます。自宅でインターネット(光コラボ)を使わない家庭や、対象外のインターネットサービスを契約中の方には、このプランのおトク額は当てはまらないことになります。

また、あるガソリン会社の電気料金プランでは、Amazonギフト券のプレゼント分も含めたおトク額で表示されます。プレゼントがもらえるのは最初だけなので、2年目以降のおトク額は少なくなる点に注意が必要です。さらに、ガソリン代の割引があるといっても、毎月のように割引額上限まで給油するとは限りません。

携帯電話会社の販売する電気料金プランでは、携帯電話会社をMNPで乗り換えると、電気の契約も合わせて見直す必要が出てくるなど、料金以外の面にも気を付ける必要もあるでしょう。

このように、「実質的な割引額」だと、おトクになるのは最初の1年目だけだったり、ガスや携帯電話、インターネットなどのほかのサービスを継続的に組み合わせて利用しないとおトクにならないという点は、よく確認する必要があります。

《まとめ》
・「セット割引」は、セットになるサービスを継続的に利用するかを確認
・「申し込みでプレゼント」「キャンペーンで割引」は、初年度だけでなく2年目以降のおトク額も要チェック
・携帯電話会社は、MNPで乗り換える可能性も頭に入れておく

電気の使用状況にもよるおトク額

比較サイトでは、地域や家族構成、生活スタイルなどに応じて、1年間の電気使用状況が自動的に予測されて、おトク額が計算されます。過去1年間の全ての電気料金を入力しなくても、ある月の検針票さえ手元にあれば、簡単に年間の電気使用量が予測されるので手軽に計算できるのは便利です。

しかし、ここでも注意が必要です。電気の使用状況は、各家庭によってさまざまです。
例えば、冬場の暖房にエアコンをメインで使うかストーブや床暖房を活用するかで、電気使用量は大幅に変わってきます。また、夏場の日中にクーラーをどれだけ使うかや、冷蔵庫やテレビなどが省エネモデルになっているか、なども電気使用量に影響してきます。

そのため、比較サイトで予測された電気使用量が、必ずしも自分の電気使用量にマッチするとは限らないのです。予測された電気使用量では冬場のほうが多い予測になっていても、実際には夏場のほうが電気使用量が多い家庭など、比較結果がまったく当てはまらないケースもあるでしょう。

また、「8月は毎年別荘で過ごす」「長期旅行によく出かける」といった家庭では、電力使用量が極端に少ない月が発生し、月によっては従来の電気料金プランよりも割高となるケースも出てくる点も注意が必要でしょう。

《まとめ》
・予測された電気使用量が、自宅のケースと合っているかを確認する
・床暖房やファンヒーターなどのガス暖房を使っている方は特に注意
・月ごとの電力使用量の変動が大きい家庭は、従来よりも割高になるケースも

1社ずつ自分で試算する方法も

このように、比較サイトはとても便利なサービスではありますが、おトク額の予測精度には限界もあるという点は頭に入れておきましょう。

より正確におトクな電力会社を探すには、少々手間が掛かりますが、1社ずつ自分で試算するという方法もあります。過去1年間分くらいの電気代(検針票)が手元にあれば、それをもとにより正確な年間電気使用量で、電気料金のおトク額を試算することができます。

また、さまざまなセット割引などについても、「自分はガソリンを毎月20リットルくらいしか給油しないからガソリン代の割引は考慮しない方がいいな」とか「携帯電話の2年縛りが終わったらMNPで乗り換える予定だからセット割引は不要だ」など、個別の事情を含めて検討することができるでしょう。

「乗り換えない」「いままでどおり」という選択肢

忘れてはいけないのが、「いままでどおりの電力会社・料金プランをそのまま利用する」という選択肢もあるということです。

電力自由化についてテレビや新聞などで頻繁に取り上げられているのを目にすると、「これからは自分で電力会社を選ばないといけないのか」と思ってしまいそうになりますが、電力会社を乗り換えないと電気が止まってしまうわけではありませんし、これまでの電気料金が値上がりするわけでもありません。

電力自由化がスタートするからと、急いで電力会社を選ぶ必要も無いのです。電気使用量が少ない方であれば、わざわざ電力会社を乗り換えるメリットも少ないので、これまで通りの従量電灯プランを利用し続けるのも選択肢の一つです。

《まとめ》
・これまで通りの電力会社でも大丈夫(電気は止まらない)
・電力会社の乗り換えはいつでも良い

電力自由化の比較サイト

いくつかの注意点はあるものの、おトクな電力会社を探すためのツールとして、電力自由化の比較サイトはとても便利な存在でもあります。
ここでは、主な比較サイトをまとめておきます。

[エネチェンジ]

[価格.com(カカクコム)]電気料金比較

[みんなの電力]

[エネズバ](ウェブクルー)

[セレクトラ]

[電気料金比較情報.com](サイバーエージェントグループ)